Azure RTOS

導入成功の歴史

Azure RTOS は Microsoft にとって比較的新しいものですが、そのコードベースは組み込みソフトウェア分野に深く根付いています。Azure RTOS の中心にあるのは ThreadX です。これはリアルタイム・カーネルで、驚異的な数の製品開発を可能にしました（カーネルのオリジナル開発者である Express Logic の Web サイトには、巨大なカウンターが設置されていたことで有名でした）。ThreadXは、その歴史の中で大きく進化し、現在では、幅広い組み込み機器やIoTアプリケーション向けに高度に洗練され、最適化されたソリューションとなっています。

競合他社とは大きく違う ThreadX の機能には、安全上重要な資格情報が多数含まれています。このカーネルは、他の Azure RTOS コンポーネントとともに、さまざまな種類の安全上重要なアプリケーションで使用するために、厳格なテストを通過しています。前述のテスト結果と安全上重要な使用への適合性を示すその他の証拠を組み合わせた Azure RTOS 認証の「成果物」は、IEC 61508、IEC 62304、ISO 26262、EN 50128 など広く採用されている複数の規格に対するもので Microsoft から入手できます。認証は Azure RTOS を、プロジェクトがこれらの基準に準拠しなければならない開発者にとっての論理的な選択肢となりますが、品質と信頼性の問題を最小限に抑えることで、RTOS のユーザーにも一般的なメリットをもたらし、のような問題を引き起こす可能性のある長いデバッグセッションの可能性を大幅に低減します。

プロフェッショナル接続ソリューション

Azure RTOS コードベース内の ThreadX カーネルを補完するのは、高機能な NetX Duo TCP/IP スタックです。この IPv4/IPv6 スタックは、ネットワーキング・タスクの CPU サイクルが不足する状況でも、IoT アプリケーションで優れたパフォーマンスを提供するように最適化されています。しかし、開発プロセスの成果として、セキュリティに重点を置いたNetX Duoは単に迅速で効率的なTCP/IP実装を実現しているだけではありません。このスタックは、IP（IPsec）とソケット（TLS と DTLS）の両方のレイヤーでセキュリティをサポートする、安全でセキュアなネットワーク・アプリケーション・コードの基盤を提供します。

以下に示すように、NetX Duo スタックは Silicon Labs の WF200 Wi-Fi トランシーバと組み合わせ、開発者が TCP/IP ワイヤレス SoC に基づいたプロジェクトに対して EFR32 通信を簡単に追加できるオプションとなりました。当然のことながら、このスタックには、Azure クラウドへの接続に必要なすべてのアプリケーション・レイヤー・プロトコル（MQTT など）が含まれています。Azure RTOS GitHub の公式リポジトリには、EFR32 で Azure の接続をテストするために必要な基本手順を説明する、スタート例とチュートリアルが含まれています。

ライセンシング

Azure RTOS ソースコードは GitHub で利用可能で、無償で評価できますが、配布されるライセンスはソフトウェアの商用使用は対象となっておりません。したがって、RTOS を製品に内蔵する場合は、ライセンス・オプションの詳細について Microsoftにお問い合わせください。