複数のプロトコルをサポートする上で直面する課題の一つは、複数のチップまたは SoC を、各プルトコルにつき1つずつ持つ必要があるという事です。シングル・チップ上のタイムスライシング複数プロトコルは、同じ周波数帯域を使用するプロトコルの実行可能なオプションです。
複数のプロトコルをサポートする事の利点:
- 直接電話ベースの設定および接続デバイスの制御を提供する
- RF コンポーネントの削減を通して、ワイヤレス・サブシステム設計を簡素化
- 診断機能を追加し、スマートフォンのデバイス・ヘルスを調査する
- モバイル・エンゲージメント・アプリケーションにマルチプロトコル IC を活用
- 高速 OTA ファームウェア更新に対するメカニズムを追加
Bluetooth および Zigbee は両方とも 2.4 GHz で動作します。各プロトコルはそれぞれのレイテンシーと帯域幅の要件を持ち、通信の効果的なスケジューリングがダイナミック・マルチプロトコル接続をうまく利用する重要な要素となります。特定のアプリケーションによっては、各プロトコルに与えられた時間は異なり、設定可能な接続間隔が必要です。アプリケーション・タイミングの要件が満たされるよう、システムテストが必要です。1つの SoC を使用して設計する事で、ワイヤレス・サブシステム BoM が最大 40% まで減少でき、PCB 設計を簡素化する事ができるので、複数の無線の間で起こりうる干渉に対応する必要がなくなります。
単一の無線 | マルチ無線 | |
---|---|---|
アンテナ | 1 | 2 |
動作 | タイムスライス | 専用 |
性能 | 複数のプロトコルの間で帯域幅が共有されるということは、遅延およびパケット紛失増加の可能性につながります | 妥協なし |
コスト | より低い | より高い |
サイズ | より小さい | より大きい |
消費者および商業環境の多数の例が、マルチプロトコル・サポートで強化または改善できます。ホーム・オートメーションの例では、Zigbee はメッシュ機能で家全体のカバー範囲を提供し、ゲートウェイを介して家の外からの制御を実現します。ただし、Bluetooth LE をマルチプロトコル接続に追加することで、スマートフォンが直接ローカル制御を提供し、ロケーション認知サービスを追加できます。これで、スマートフォンを介して Bluetooth 上のドアロックを制御したり、Zigbee 上で照明を制御するためのドアロックから自動化ホーム・コントロール、システム・ヘルス情報を提供するために Bluetooth ビーコンを使用したり、スマートフォンを通して人の動きを検出する事でロケーション認知サービスを提供する、などのシナリオを可能にします。
小売または商業の環境において、Bluetooth ビーコン等の技術を利用してロケーションベースの広告の提供、資産追跡、さらに通行人のヒートマップの開発のような使用法の要望があります。幅広い導入に対する課題の1つは、専用ビーコンデバイスの必要性です。デバイスのライフサイクル管理に関しては、接続の範囲がデバイス更新のロジスティックに影響を与えます。Bluetooth ビーコンを照明等のコネクテッド・インフラストラクチャに統合する事で、大規模な照明などの、ビーコン範囲の密な範囲エリアを作成できます。コネクテッド照明およびビーコンの両方を展開する代わりに、コネクテッド照明または照明器具が Bluetooth ビーコン・インフラストラクチャーを展開する手段として使用する事ができます。これにより、よりコスト効率が良い手段でビーコン密度を向上させることができます。